2024/05/02
カテゴリー:管理
長期修繕計画について(基礎編)
長期修繕計画とは?
長期修繕計画は快適な住環境の確保のためにはもちろんの事、マンションの寿命に大きくかかわる計画(指針)の事を指します。この長期修繕計画を見ることで、「管理組合の考えていることが分かる!」と言ってもいいくらい重要な書類となります。
長期修繕計画の目的とは?
長期修繕計画は何のための計画なのでしょうか?
そもそもそんな計画どうして必要なのか?と思う方も少なくないかと思います。
それには、マンションの「特殊性を理解すること」が重要です。
戸建て住宅と賃貸マンションは、一般的に所有者は一人である場合が多く、建物・土地の維持管理もその所有者の責任において意思決定して行うことができますが、分譲マンションの場合、一棟の建物に複数の住戸があり、複数の所有者(区分所有者)がいます。
共用部分の使い方や変更については、管理規約や総会で決められ、個人の自由な管理は残念ながらできません。
スムーズな合意形成を図るために、区分所有者(管理組合)の皆さまが主体的に「マンションの将来をどう描きたいか」というビジョンを管理組合で共有・承継していくことが大変重要になります。そのために作成する長期修繕計画はマンションの維持管理のために欠かせないものとなります。
マンションの特殊性を理解したところで、長期修繕計画の目的を見ていきましょう。
大良く分けて3つご紹介します。
長期修繕計画の目的
・目的① :将来見込まれる修繕工事及び改修工事の内容、おおよその時期、概算の費用等を明確にする。
・目的②: 計画修繕工事の実施のために積み立てる修繕積立金の額の根拠を明確にする。
・目的③ :修繕工事及び改修工事に関する長期計画について、あらかじめ合意をしておくことで、工事の円滑な実施を図る。
長期修繕計画があると、将来必要な修繕や点検の費用を予測・計画することができます。大規模修繕工事の資金は修繕積立金のため、修繕積立金は長期修繕計画から算出されるのが一般的です。長期修繕計画を修繕積立金の金額設定の根拠として示すことで、区分所有者間のスムーズな合意形成につなげられます。大規模修繕工事に向けて適切に修繕積立金を積み立てるためには、劣化状況を踏まえ、管理組合の意向を反映させた長期修繕計画が重要です。
長期修繕計画の期間に決まりはありませんが、国土交通省の長期修繕計画作成ガイドラインでは、計画期間を「30年以上で、かつ大規模修繕工事が2回含まれる期間以上」と現在では定義されています。
長期修繕計画の活用方法とは?
それでは、今度は長期修繕計画の各用法もお伝えしたいと思います。
長期修繕計画の各用方法を今回は大きく4つに分けてご紹介いたします。
長期修繕計画の各用法
・活用方法①
大規模修繕工事を行う場合、修繕積立金残高が足りている場合でも、将来見込まれる修繕工事で資金不足にならないように修繕積立金の過不足を確認する。
・活用方法②
大規模修繕工事を行う場合、修繕積立金残高が不足する場合には、将来見込まれる修繕工事を明確にして、今後の修繕積立金の積立額の見直しや一時金負担、借入の必要性を明確にするための資金計画を検討する基礎資料とする。
・活用方法③
将来的に必要な修繕工事が実施できるよう、修繕積立金の積立額を算定するために活用する。
・活用方法④
修繕積立金残高を確認しながら、各マンションの状況に応じて必要な工事やその実施時期を検討する。
このように、「大規模修繕工事」をする際に長期修繕計画は活かされます。
マンションの築年数や劣化状況によって工事内容は大きく分かれますが、上記にもお伝えした国土交通省のガイドラインを参考にしてみてください。
「マンションの寿命ってどのくらいなの?」と、質問をいただくことが頻繁にあります。
定期的に適切な修繕・改修・更新をして維持することは、マンションの寿命を延ばすことにつながります。「住み続けたい」という想いのもと、定期的な修繕・改修・更新などを実施していくことが大事です。
長期修繕計画は定期的に見直す必要がある
長期修繕計画は一度作成したら終わりではありません。長期修繕計画は、次のような理由から5~7年程度毎に調査・診断を行い、修繕積立金の額と合わせて見直すことが必要となってきます。
長期修繕計画を見直す理由
① 建物及び設備の劣化
② 社会的環境及び生活様式の変化
③ 新たな材料、工法等の開発及びそれによる修繕周期、単価等の変動
④ 修繕積立金の運用益、借入金の金利、物価、工事費価格、消費税率等の変動
昨今の物価の上昇はかなり大きく予想が尽きません。工事の見積りをとっても、数か月後には1.5倍なんていう事も現実にありました。マンションの寿命を大きく影響するこの長期修繕計画はマンションを維持管理する上で大変重要です。
中古マンションを購入する際にも必ずチェックを!
中古マンションの購入の判断材料としても、是非購入希望のマンションが長期修繕計画を立てているかを確認することをお勧めいたします。
中には、長期修繕計画がないまま売買の取引がされていることも事実。
何度もお伝えしますが、長期修繕計画は「管理組合の考え方」が分かるものと言ってもいいくらい、マンションの資産価値やマンションの将来に影響する重要な書類ですので、忘れずにチェックすることをお勧めいたします。
長くなりますので、詳細はまた違う記事でお伝えしたいと思います。
今回は長期修繕計画の基礎をお伝えいたしました。
この記事を書いた人
valletta事務局
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